昇任試験を実施すると、なぜ社員はやる気がでるのか【がんばれ建設2211】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2023年12月22日
NO2211
◆昇任試験を実施すると、なぜ社員はやる気がでるのか
ネズミの実験結果です。
ネズミに餌を与えるとき、
餌を皿に入れていつでも食べられる状態の場合と、
レバーを押すと餌が出てくる
仕掛けがある場合があるとします。
このネズミに二つの餌を同時に与えてみると
どうなるでしょうか。
実験をすると、レバー押しを選ぶ率が高いのです。
苦労せずに得られる皿の餌よりも、
タスクを通じて得る餌のほうが、
ネズミにとっての価値が高いというのです。
これは「コントラフリーローディング効果」と呼ばれ、
イヌやサルはもちろん、鳥類や魚類に至るまで、
動物界に普遍的にみられる現象です。
ヒトも例外ではありません。
ガチャガチャが、はやっているのは、
仕掛けを通じて手に入れることに
喜びを感じるからでしょう。
就学前の幼児は、ほぼ100%の確率でレバーを押します。
成長とともにこの確率は減っていき、
大学生になると選択率は五分五分となります。
大人になると、効率を重視するようになるものの、
完全に利益だけを追求することはありません。
人に関し、こんな実験例があります。
ある団体に所属するときに、
希望すれば誰でも入会できる場合と、
厳しい試練を経て仲間入りできる場合を設けます。
すると、たとえ根拠のない無駄な儀式であっても
何らかの入団基準があったほうが、
入会後に、その団体への帰属感や愛着が強くなるのです。
脳は労せずに手に入れたものよりも、
何らかの対価を払って入手したものを好むのです。
現場責任者として現場を担当させる場合、
「昇任試験」に合格することを条件にする場合と、
条件なく担当させる場合、
その職務に対する責任感ややる気は変わります。
苦労なく現場責任者に就任させると愚痴が出ますが、
自分が苦労して現場責任者になると、
モチベーションが高まります。
ハタコンの長期実践型研修を、
社内の「昇任試験」に活用しているという
建設会社が増えています。
◆新たに現場責任者に着任させる場合
「新任現場責任者育成3ヶ月コース」
◆大規模工事の現場代理人に着任させる場合
「現場代理人育成6ヶ月コース」
◆本支店の部課長に着任させる場合
「幹部社員育成3ヶ月コース」
これらの研修に高いレベルで「修了」した場合に、
昇任資格を与えるというものです。
長期実践型セミナーについて、詳しくは以下をご覧ください
『脳は意外とタフである』池谷裕二著
を一部参考にしました。