なぜ土木工事現場で事故、トラブルが続くのか【がんばれ建設2219】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2024年1月23日
NO2219
◆なぜ土木工事現場で事故、トラブルが続くのか
2023年には建設業界の信頼を損なうような
トラブルが現場にて多発しました。
多く見受けられたのは、建設会社のミスや
技術者の虚偽報告といった人為的問題です。
土木現場における
主な事故・トラブルは以下のようです。
◆八郎山トンネルでは、覆工コンクリートの厚さが
最も薄い箇所で3cmしかなかった。
◆北海道新幹線のトンネル工事でコンクリートの
品質試験で虚偽報告。
◆千葉県で仮堤防の大型土のうを発注者に無断で撤去し、
河川が越水する原因となった。
◆静清バイパスの高架橋工事で架設中の鋼桁重さ140tが落下した。
作業員2人が死亡、6人が負傷した。
このような不祥事、不正行為が起きる原因は、
以下の6つです。
1)経営者、作業所長からの圧力
現場や工事担当者に無理な性能や
利益・工程目標を負わせている
2)内部統制の抜け穴
現場と本社、支店監査部門の独立性がない
3)3つのディフェンスラインの不備
以下3つのディフェンスラインが機能していない
・現場レベルのリスクマネジメント
・本社、支店工事部門のチェック
・監査部門による内部監査
4)内部通報制度の不備と限界
情報提供者が保護されていない
5)固定的な人事
人事が固定的だと癒着が起きる
6)技術力不足
技術力を向上させる機会が不足している
これらのいずれか、もしくは複数が重なって
事故、トラブルが発生します。
ぜひ自社を振り返り、
予防できるよう対策を進めましょう。
日経クロステック/日経コンストラクション
2023.12.15森下 慎一著の記事を
一部参考にしました。