社長ブログ

6秒がまんができずに、パワハラで1億4千万円の賠償金【がんばれ建設2225】

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がんばれ建設 
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2024年2月5日
NO2225

◆6秒がまんができずに、パワハラで1億4千万円の賠償金

「文句があるなら代わりの施工方法を提案しろよ」。

工事部長は会議中、

部下である現場代理人の言動に怒りを抑えきれず

思わずつかみかかりました。

暴行で心身を傷付けられたとして部下に訴えられ、

要求された賠償額は1億4千万円。

ストレス社会といわれる現代の管理職は、

仕事だけでなく自分自身をマネジメントする能力も

求められています。

建設会社の会議室にて、ある日の夕方、

50代の部長が工事部会議を開催していました。

役員の指示で大幅に引き上げられた利益目標を、

どうやって達成するか。

工事の運営方針などを話し合う場でした。

途中、ある社員の発表に対して、

ひとりの部下が口を挟みました。

「その工法に意味あるの?もっとやり方あるんじゃないの?」

発表の内容は既に工事部内で合意していたはずで、

部長である自分への当てつけではないか。

そう捉えた部長は「文句があるなら言えよ。

他にあるなら代わりの施工方法案を出せよ」

と語気を強めました。

「文句なんか言ってないじゃないか」と

「ため口」で言い返した部下は、

役職は違えど部長と同い年でした。

部長は手元の缶コーヒーを机にたたきつけ、

部下の元へ歩み寄りました。

会議室の壁を幾度かたたき、

椅子に座っている部下のシャツをつかみました。

数秒後に手を放したものの、そのまま口論に発展。

異変に気付いた上司が会議室の外から割って入り、

部長を別室に連れ出しました。

間を置いて会議室に戻った部長は

部下に謝罪しました。

その1時間ほど後にSNSで

「先ほどはごめん。きょう、飲みにいかない?」

と誘いました。

部下から「予定があって、来週調整しますね!

お気になさらず」と返信がありました。

日付が回った午前3時ごろ、部長を含むチームの

グループチャットに部下が投稿しました。

「時間とともに首の症状が悪く、激痛が走ってきています。

朝から病院に行きます」。

以後、首の痛みや手足のしびれを訴えた部下は

うつ病などの診断を得て、1カ月後に退職。

その後、部長と会社を相手取って訴訟を起こし、

約1億4千万円の賠償を求めました。

これまで暴力はおろか、

社内で人ともめたことすら一度もなかったという部長。

カッとなった原因として、部下に軽んじられていると

感じていたことを挙げました。

部下側の代理人に「壁を強くたたくこと自体、

パワハラと思わなかったのか」と問われると

「完全に同い年同士のケンカと理解していた」

と釈明しました。

判決は、部長が興奮状態にあったことなどを踏まえ

「首付近に向けて相応の強さの外力を加えた」

と認定しました。

暴行をきっかけに神経症状やうつ病が発症したと判断したが

「労働能力に影響を与える後遺症があるとはいえない」として、

賠償額は約218万円と算定。

部長と会社に連帯して支払うよう命じました。

(実例をもとに書き換えています)

部長に限らず、現場責任者になると、

結果を残さないといけないという強いストレスを感じます。

『人は怒りをコントロールできると、

年収が2倍になり、平均寿命が7年長くなる』

『怒りのピークは6秒、持続は2時間。悲しみは120時間続く』

と言われています。

6秒間怒りの気持ちを我慢できると

このようなことにはなりません。

また、激しい口調のメールを書く上司も見かけますが、

すぐに送信するのではなく、2時間待って

見直すと書きすぎたことに気づくでしょう。

ほんの一瞬の気持ちの揺れで

人生を踏み外さないよう気をつけたいものです。

日本経済新聞1月19日記事を一部参考にしました。

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【編集後記】
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パワハラで貴重な社員が

辞めてしまったという話をよく聞きます。

以前私が相談を受けた際は、

療法心理士のカウンセリングを受けるという

対策を取ったことがあります。

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