なぜ、会社にぶら下がり社員や愚痴不平不満社員が増えるのか【がんばれ建設2231】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2024年2月25日
NO2231
◆なぜ、会社にぶら下がり社員や愚痴不平不満社員が増えるのか
米ギャラップによる世界各国の
従業員エンゲージメント調査の2023年版リポートでは、
日本企業では7割超の従業員が必要最低限の努力しかせず、
会社との心理的なつながりが断ち切られている
と書かれています。
この調査では、仕事への熱意や職場への愛着が強い
「エンゲージしている従業員」の割合を算出しています。
日本は22年度時点で5%と、4年連続で過去最低でした。
反対に、「エンゲージしていない従業員」の割合が
72%に上りました。
これはいわゆる「ぶら下がり社員」です。
職場で不満をまき散らす
「全くエンゲージしていない従業員」も23%います。
自社のエンゲージメントを
簡易診断する方法があります。
エンゲージメントを高めるための12の質問に対して、
次の5段階評価にて答えてもらいます。
完全に当てはまる(5点)
やや当てはまる(4点)
どちらともいえない(3点)
やや当てはまらない(2点)
完全に当てはまらない(1点)
1 私は仕事の上で、自分が何を期待されているかがわかっている
2 私は自分の仕事を正確に遂行するために必要な設備や資源を持っている
3 私は仕事をする上で、自分の最も得意とすることを行う機会を毎日持っている
4 最近一週間で、良い仕事をしていることを褒められたり、認められたりした
5 上司または職場の誰かは、自分を一人の人間として気遣ってくれている
6 仕事上で、自分の成長を励ましてくれる人がいる
7 仕事上で、自分の意見が考慮されているように思える
8 自分の会社の使命/目標は、自分の仕事を重要なものと感じさせてくれる
9 自分の同僚は、質の高い仕事をすることに専念している
10 職場に、悩み事などを気軽に相談できる人がいる
11 この半年の間に、職場の誰かが自分の進歩について、自分に話してくれた
12 私はこの一年の間に、仕事上で学び、成長する機会を持った
質問に回答した点数の平均値は、
以下を目安に評価することができます。
一般社員
3.8以上 エンゲージメントは高い
3.6 平均点
3.2以下 要注意
幹部社員
4.5以上 エンゲージメントは高い
4.0 平均点
3.8以下 要注意
私がこれまで多くの建設会社にて実施した結果、
評価値が低い質問項目は次の2つです。
4 最近一週間で、良い仕事をしていることを褒められたり、認められたりした
11 この半年の間に、職場の誰かが自分の進歩について、自分に話してくれた
つまり、上司や仲間から褒められておらず、
自らの進歩、成長に気づいてもらっていないのです。
その結果、ぶら下がり社員や愚痴不平不満社員が
増えているのでしょう。
なぜ、エンゲージメントが低い社員が
増えているのでしょうか。
外資系コンサルティング会社の
ウイリス・タワーズワトソンWTWの岡田恵子氏は
「日本企業の管理職や役員層は
人材育成について、5~10年といった時間軸で
『背中を見て学べ』などと言ってきた世代だ。
これに対し、今の若手は
『この1年で何が出来るか。どう成長できるか』
といった考え方を持っている」
と指摘しています。
建設会社でも、
「背中を見て学べ」
「10年くらいで一人前になればいい」
という育て方が多く見られました。
そのような対応では、特に若手には通用しないということです。
転職を当たり前と捉え、成果を上げるまでの
スピードを重視する今の若手社員と、会社との間で
「成長する」ことに対する時間軸がずれてしまっていることが、
日本のエンゲージメントの低さの根底にあるのでしょう。
人材コンサルティング会社、
リンクアンドモチベーションの研究機関、
モチベーションエンジニアリング研究所と
慶応義塾大学の共同研究(2018年)によると、
従業員に対する調査から算出する
「エンゲージメントスコア」が1ポイント上昇すると、
営業利益率が0.35%改善するとの結果が出ました。
ハタ コンサルタント株式会社では、
若手を早期に成長させるためのツールとして
「ハタコンムービー」を開発しました。
建設技術動画が見放題となるサービスです。
原価管理や工程管理など、学びたい技術を、
学びたい場所で、都合のよい時間に
動画で学ぶことができます。
エンゲージメントを高めるために
ぜひご活用ください。
ハタコンムービー 詳しくはこちらです。
(ハタコンムービーは、建設通信新聞、
日刊建設工業新聞にて紹介されました)
日経ビジネス2024年1月29日号を一部参考にしました。
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【編集後記】
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先週はちょっと体調が芳しくなく
ずっとテレワークをしていました。
改めて健康管理の大切さを感じました。
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