能登半島地震で免震化構造物は効果があったのか【がんばれ建設2233】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2024年2月28日
NO2233
◆能登半島地震で免震化構造物は効果があったのか
読売新聞2月16日記事に、能登半島地震に関する
名古屋大名誉教授・福和伸夫さんの見解が
掲載されていました。
一部ご紹介します。
◆柱、梁 補強金具がない
石川県輪島市では、店や住宅が倒れたり、
2階が1階をつぶしたりし、柱や壁があらわになっています。
倒壊した建物を見ると、柱と梁の接合部のくぎが少なく、
補強金具がついていない木造住居が多かったようです。
1981年5月までの旧耐震基準では
震度5強程度で損傷しないことが求められていましたが、
同6月からの新基準では6強~7程度で
倒壊しない性能が必要となりました。
木造では2000年建築基準法の定めにより、
木造住宅用の接合金物を正しく施工することが
義務付けられました。
しかし、輪島市で
新基準を満たしていたのは46%でした。
◆免震化で損傷なし 耐震化で損傷
震度6強を観測した七尾市の恵寿総合病院では、
地下に揺れを吸収するゴムを設置した
免震構造の本館には損傷がなく、
医療の提供を継続できました。
棚の上の物すら落ちなかったといいます。
しかし、免震ではなく、
耐震化していた他の病棟は、天井がはがれ、
物も散乱したため入院患者を本館に移しました。
同病院では、本館の新築を検討していた2011年に
東日本大震災があり、免震化を決断したそうです。
木造住宅の耐震化、そしてビルの免震化とも
顧客負担の費用がかかってしまいます。
しかし、ひとたび地震が起きると避難などの
心身の負担、さらに費用負担が大きいです。
私たちは建築の専門家として、
多くの方に現状を伝え、
耐震化、免震化を進めたいものです。
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【編集後記】
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寒暖の差が大きい日が続きます。
コロナやインフルもはやっているようです。
くれぐれもお気を付けください。
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