優秀な2割の社員のやる気を上げる方法とは【がんばれ建設2234】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2024年3月1日
NO2234
◆優秀な2割の社員のやる気を上げる方法とは
組織や集団は
「優秀な2割」、「平均的な6割」、「貢献度の低い2割」
で構成されます。
これを「262の法則」と言います。
企業は「上位2割」の人の活躍があるからこそ、
利益が保たれているといえるでしょう。
その仕事ぶりは、現場運営の技術だけでなく、
上位2割の人にしかできないことをやり、
その人にしか考えつかないユニークなアイデアを出して、
会社を牽引しているのです。
だからこそ大切なことは、
優秀は2割のやる気を向上させることです。
上位2割の人は、優秀だからこそ、
転職などして社外に出ていってしまうかもしれません。
次第に「こんな上司、会社とはやってられない」
という気持ちになるからです。
「上位2割」の人に
その企業にとどまってほしいのであれば、
上司はその人たちにとどまってもらえる環境を用意すべきです。
上司が話を聞くべきなのは、
この「上位2割の優秀な人たち」なのです。
この人たちが、
「上司に話をちゃんと聞いてもらえている」
「自分がどんな気持ちで、日々の仕事に
取り組んでいるかをわかってもらっている」
「自分に責任のある仕事を任されるのは、
上司に信頼され、期待をかけられているからだ」
と思うことができれば、
ますます現場で活躍することでしょう。
では優秀な2割の部下に対して、
どのようにして聞けば良いのでしょうか。
◆ケース1
部下:「発注者の〇〇さんとうまくいっていないんです」
上司:「なんだか最近、グチが多いね。どうしたの?」
部下:「言われたとおりの条件で設計変更協議書を出しました。
でも〇〇さんが言われた条件に間違いがあったんです。
なのに、さらっと『作り直して』と言うのです」
上司:「でも、自分では条件を確認しなかったの??
そうやって人のせいにばかりしていたら
成長しないよ。私だったら確認するけどね」
部下:(こころの声)「ああ、この上司にグチをこぼさなければよかった」
このように、部下の話を聞くつもりが、
結局は、指導や叱責を始めてしまうと
部下の熱意は下がります。
◆ケース1の改善例
部下:「発注者の〇〇さんとうまくいっていないんです」
上司:「なんだか最近、グチが多いね。どうしたの?」
部下:「言われたとおりの条件で設計変更協議書を出しました。
でも〇〇さんが言われた条件に間違いがあったんです。
なのに、さらっと『作り直して』と言うのです」
上司:「そうか……。それは大変だね。イライラしちゃうね」
部下:(こころの声)「ああ、わかってもらえた!」
部下の話を聞くのは難しいものです。
つい説教タイムになってしまうからです。
ここで、部下の話を素直に聞く
「4つのポイント」を紹介します。
1)説教しない
2)「あなたはどうしたいのか」と聞く
3)1分間、「なるほど」「うん、うん」とうなずきながら黙って聞く。
4)「あなたなら、きっとできる」と信頼と期待を伝える
「4つのポイント」を使った会話例を紹介しましょう。
◆ケース2
上司:「〇〇さん、現場の創意工夫資料、できた??
もう提出期限が過ぎているよ」
部下:「すみません。まだです」
上司:「どうして出せないの??みんな出しているよ」
部下:「自分が納得しないと提出できないのです。
だからどうしても時間がかかってしまいます」
上司:「でも、それってわがままじゃない?
?ほかの人はみんな提出期限を守っているよ」
◆ケース2の改善例
上司:「〇〇さん、現場の創意工夫資料、できた??
もう提出期限が過ぎているよ」
部下:「すみません。まだです」
上司:「まだなのか。
それで、〇〇さんは、どうしたいの?」
部下:「あの、自分が納得した段階で提出したいなと思っていまして。
あと2時間いただけませんか?」
上司:「そうか、わかった。
延期した分、いいものができると期待しているよ。
〇〇さんならできると思うよ」
「優秀な2割」のやる気を削いでしまったり、
果てには辞めてしまうような会社には、
将来性も成長もありません。
そうならないよう、
上司は4つのポイントを意識して、
部下の話を聞いてほしいと思います。
『プロカウンセラーの こころの声を聞く技術
聞いてもらう技術』諸富祥彦著を一部参考にしました。
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【編集後記】
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今日から3月。
ハタコンでは4月からの
新入社員研修準備に追われています。
建設業の門を叩いてくれた若者が一日でも早く
現場で活躍できる研修にできるよう、
講師一同がんばります。
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