建設技術者がAIに負けない能力を身につける3つのポイント【がんばれ建設2238】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2024年3月11日
NO2238
◆建設技術者がAIに負けない能力を身につける3つのポイント
生成AIの機能が日々向上し、
多くの人が行う仕事が不要になると言われています。
施工管理の仕事も、一部AIに取って代わると思います。
では、AIにできない仕事をし続けるためには
何が必要でしょうか。
3つのポイントで紹介します。
(『創造する人の時代』茶谷公之著 一部参考)
建設技術者の仕事の心構えとしては大きく3つあります。
◆「おもしろいことをやる」
「おもしろいことをやる」ことが大切です。
例えば、新しい工事を担当するときに、
「おもしろそうな工事だな」と思うか
「いやな工事だな」と思うかの違いです。
私は若いころ、ダム工事、トンネル工事、
橋梁工事を主として担当してきました
いずれの工事も私が、
興味があると感じた工事の作業所長に
電話を入れて担当させてもらいました。
現在は、建設技術研修やコンサルティングを行っています。
よくなぜその仕事を始めたのですか、と聞かれますが、
それは「おもしろそう」だったからです。
キャリアは自分でつくるものではなく、
おもしろい仕事を追い求めた結果として、
私の歩いた後にただ残るものという感覚です。
もしかしたら、
仕事を好きになれない人もいるでしょう。
そういう場合は、
自分の仕事に本気で取り組むしかありません。
私が最強だと思うのは、「本気で行う人」です。
こういうタイプの人には
努力を重ねたところで 追いつけません。
「本気ですれば大抵のことができる。
本気ですれば何でもおもしろい。
本気でしていると誰かが助けてくれる。
人間を幸福にするために本気で働いている者は
みんな幸福でみんな偉い」
(後藤 静香氏 「権威」より)
つまり本気で仕事を行うことで、
仕事がおもしろくなるのです。
◆「変わったことをやる」
すごい仕事をする人のなかには
個性的で世間の基準から見たら「変な人」も多く、
私が勤務していたゼネコンでも
多くの変人や奇人を見てきました。
創業期のソニーが「『出るクイ』を求む!」という
採用広告を出したのは有名な話ですが、
常識を常識とせず、「突破」していく人を
求めてきたことを物語っています。
ICTが登場した当時、
そんなもので現場作業はできない、という声が聞かれました。
そんな中、社内に「変わったことをやる」人がいた会社が、
今やICT先進企業になっています。
外国人が建設会社で働くことなんかできない、
という声をはねのけて、
外国人技能実習生や外国人高度人材を
活用している会社は人手不足に悩んでいません。
なぜ変な人が新たな価値あるものを
会社に取り入れることができるのかというと、
それは彼らが普通の人とはまったく違う観点から
物事を見ているからです。
変な人は常に5年、10年先の
「長期ビジョン」を見通すことに注力します。
価値あるものは、短期間だけを見ていてもできないからです。
3.「長期ビジョンに向かって進む」
「変わったことをやる人」は、見通した先の
「長期ビジョン」を組み上げて、
「長期ビジョン」が実現されるようにまっすぐに行動します。
結果として、1年ごとの目標設定には
到達しない可能性がありますが、
将来の糧を創出する可能性を秘めています。
開始して3年以内の新規事業の割合を、
売上の10%確保することが、
企業が継続する要件と言われています。
目先の現場利益だけでなく、
DX推進、人材育成の強化、
採用の強化、新技術新工法の開拓等、
5年、10年後自社に必要な施工スキルを
どのようにして向上させるかを考えることが欠かせません。
短期ばかりを見つめてしまい、
成長が停滞している建設会社に本当に必要なのは、
言われたことをやる能力ではなく、
言われなくても企画し
「長期ビジョンに向かって進む」実行力です。
3つのポイント
「おもしろいことをやる」
「変わったことをやる」
「長期ビジョンに向かって進む」能力を高め、
どんな時代でも力強く生き続ける
技術者でありたいものです。
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【編集後記】
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2011年の今日、東日本大震災が発生しました。
私は一時期、宮城県石巻の建設省北上川下流
工事事務所にて働いていましたので、
そこでご一緒した方の様子がとても、心配でした。
ハタコンの創業理念である建設技術の力で
国民の命を守る必要性を改めて感じます。
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