社長ブログ

読んでもらえる報告書を作成するために気をつけるべき、たった一つのこと【がんばれ建設2258】

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がんばれ建設 
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2024年5月1日
NO2258

◆読んでもらえる報告書を作成するために気をつけるべき、

 たった一つのこととは

施工管理技術者は、文書を書くことが多いですが、

あまり得意ではない方が多数でしょう。

私は、毎日のように、

「技術提案書」や「報告書」の確認をしていますが、

とても気になることがあります。

それは、「漢語」(中国のことば)が多すぎるということです。

たとえば、事故や問題があった場合の報告書の記載です。

「この事故の発生は認識外でした。

遺憾の極みであり、不適切な行為であったと反省します。」

これを「和語」(日本のことば)に

書き換えると次のようです。

「こんなことになるとは思いもよらず、

軽はずみなことをしてしまいました。本当に申し訳ありません」

となります。

「漢語」では、ひたすらおそれ入る感じが伝わり、

後者は担当者の胸の痛みが伝わります。

事例を見てみましょう。

◆事例1

「漢語」

「当工事においては、周囲に多数の住民が居住している。

従って、沢山の提案を色々議論して、

顧客の喜ぶような提案を考案する必要がある。

更に、丁度近隣にて同種の工事を施工中でもあるので、

我々の経験を生かして、多くの提案をして見ることが出来る。

但し、折角の提案であっても費用が掛かりすぎることは、

勿論問題であるため、躊躇しなければならない。」

「和語」

「当工事においては、周囲に多数の住民が住んでいる。

したがって、たくさんの提案をいろいろと議論して、

顧客の喜ぶような提案を考える必要がある。

さらに、ちょうど近隣にて同種の工事を施工中でもあるので、

われわれの経験を生かして、多くの提案をしてみることができる。

ただし、せっかくの提案であっても費用がかかりすぎることは、

もちろん問題であるため、避けなければならない。」

◆事例2

「漢語」

「使用エネルギーを削減するために、作業員と会社の間で

作業時間変更契約を締結することで、経費を節約できた。」

「和語」

「使用エネルギーを減らすために、作業員と会社の間で

作業時間変更契約を結ぶことで、経費を少なくすることができた。」

◆事例3

「漢語」

「この薬剤を、逐次コンクリートに混入させることで、

水セメント比の微調整をすることができる。」

「和語」

「この薬剤を、順にコンクリートに混ぜることで、

水セメント比を少しずつ変えることができる。」

どうでしょうか。

理科系の文書ではどうしても「漢語」が多くなりがちですが、

「和語」に書き換えることで読みやすくなります。

いくら内容が良くても、

読んでもらわないといけないことを考えると、

できるだけ「和語」を用いる方がよいでしょう。

かつて甲子園を沸かせた

徳島池田高校の名監督・蔦文也氏は、

「試合前に子どもたちを激励するときは漢語を使い、

試合後にねぎらうときには大和ことば(和語)を使う」

と言ったそうです。

試合前には「部員一丸となって奮闘せよ」

試合後には「みんなよくがんばった。私はうれしい」

という感じでしょうか。

「漢語」「和語」のどちらがよいという訳でなく、

うまく使い分けたいものです。

『運がいいと言われる人の脳科学』

黒川 伊保子著を一部参考にしました。

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【編集後記】
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今日は連休のはざまでお休みの方が多いことでしょう。

ハタコンは怒涛のような4月の新入社員研修の事務処理で

今日も元気に頑張っています。

5月もよろしくお願いします。

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