社長ブログ

固定残業手当制度は、会社や社員にとってメリットはあるのか【がんばれ建設2267】

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がんばれ建設 
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2024年5月27日
NO2267

◆固定残業手当制度は、会社や社員にとってメリットはあるのか

「固定残業手当」という制度があります。

これは、実際の残業の有無にかかわらず、

毎月一定時間の残業(みなし残業時間)が

あるものとみなして、

一定の残業代を毎月支給することです。

多くの建設会社では、

この制度を活用しています。

メリットとデメリットを見ていきましょう。

◆固定残業手当のメリット

・「みなし残業時間内で仕事を終えよう」

 とする効率的な働き方となる

・実際の残業時間がみなし残業時間内であれば、

 残業代を追加支給する必要がなく、

 給与計算の手間が省ける

・採用・募集の際、固定残業手当の分だけ

 募集金額を高く提示できる

◆固定残業手当のデメリット

・残業の実態が、固定残業手当と比べて

 少なくなっていると過大な経費となる

・実際の残業時間がみなし残業時間を

 超えた場合には、超過分を計算して

 追加支給することになるため、

 給与計算の手間はあまり変わらない

・採用(特に新卒)の募集段階で、

 「みなし残業時間の分、必ず残業がある会社」

 であると求職者に判断され、応募を敬遠されてしまう

私がゼネコンに勤務していたころは、

固定残業手当が支払われていました。

みなし残業時間は30~40時間/月程度でした。

当時はほとんどの建設会社がそうだったと記憶しています。

ところがある日会社に監査が入り、

固定残業手当と実態との差が大きい

ということで、従量制に変わりました。

当時私は100時間/月程度残業していましたので、

差が大きかったのは事実です。

ただし、自己研鑽だと思っていたので

不満はありませんでしたし、

遅くまで仕事をさせてくれる会社に

感謝していました。

その当時の知識の貯金があるので、

今のコンサルタント業務が

できているのだと思っています。

さて、固定残業手当は、

自社の残業の実態に即したものであれば、

経営側、社員側ともに

不満は生じにくいのですが、

昨今の働き方改革で

残業時間が減少していますので、

みなし残業時間を決めることが

難しくなっています。

実態よりも手当が多いと、経営側は、

「残業もないのに毎月固定額を支給するのは

もったいない」と思うものです。

さらには、「せっかく固定残業手当を

払っているのだから、何かしら仕事を見つけて

そのみなし時間分ぐらい残業をやってから

帰るように」と号令を掛ける会社もあります。

また社員側でも、

「みなし残業時間分は残業をしないといけない」

と考える人もいます。

すると、単にムダな業務を増やしただけで、

かえって非効率になる可能性があります。

働き方改革が進む今こそ、

固定残業手当制度を見直す時期が

来ているように思います。

賃金管理研究所5/15メルマガを

一部参考にしました。

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【編集後記】
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賃金管理でお悩みの方が多いようです。

そこで現在、建設業向け賃金管理の書籍を書いています。

完成しましたらお知らせします。

お楽しみに。

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