なぜ自分の力で施工したと思ってはいけないのか【がんばれ建設2315】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2024年10月4日
NO2315
◆なぜ自分の力で施工したと思ってはいけないのか
二十世紀、ドイツの実存主義哲学者の
カール・ヤスパースは、
「負い目」ということを強調しました。
わたしたち人間は、誰もが他人に対して
大きな「負い目」があるというのです。
たとえば、会社員がその会社で働けているのは、
入社試験にパスしたからです。
しかしその合格は、試験に落ちた人間の
無念さの上に成り立っています。
したがって、この会社員は、
それらの人々に対して「負い目」があるのです。
協力会社に対して、価格交渉をして
値引いてもらったとしましょう。
その結果、その工事で利益が出たとしたら、
その協力会社が値引きをしてくれたおかげであり
協力会社に対して「負い目」があります。
道路を作る際、
もともとその土地を持っていた方が
道路を作ることを許していただいたために
工事ができるのです。
つまり地主の方のご協力のおかげで
道路工事ができるわけですから、
地主に対して「負い目」があります。
私たちはそのように考えて、
他人への「負い目」を自覚せよと、
ヤスパースは主張したのです。
そして、「負い目」を自覚すれば、
私たちはそれを償うべき責任を感じることができます。
その責任の償いは、たとえば会社員であれば、
入社試験に落ちた人たちの分までしっかりと
仕事することによって果たせます。
協力会社に対しては、値引きしていただいた
金額を上回る利益が出るよう、段取りよく
工事を進めることで「負い目」を償えるのです。
地主に対しては、よりよい道路を建設して、
それを使う人たちから感謝の言葉が
得られるような施工をすることで、
「負い目」を償えるのでしょう。
けっして自分だけの力で
施工できているわけではないのです。
わたしたちはみんな、他人に「負い目」があり、
責任のあることを忘れてはならないと思います。
『捨てちゃえ、捨てちゃえ』
ひろさちや著を一部参考にしました。
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【編集後記】
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先日サッカーの試合で相手と交錯し
足を痛めてしまいました。
そのためしばらくグラウンドに出られず、
体が鈍った感じです。
早く治すよう毎日湿布を張り替えています。
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