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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2025年1月10日
NO2348
◆ICT施工に乗り遅れた建設会社の末路
不易流行という言葉があります。
不易とは、変わらないということ、
流行とは、時とともに移り変わっていくもの、
また変えていかなければならないもののことです。
俳人芭蕉は奥の細道の旅で
この言葉を体得し、発句の理念としました。
『去来抄(きょらいしょう)』の中で
「不易を知らざれば基立(たち)がたく、
流行を辨(わきま)へざれば風あらたならず」
と言っています。
不変の真理を知らなければ基礎が確立せず、
時代の流れを知らなければ撥溂とした句は
作れない、ということです。
建設業でいうと、不易とは
品質基準、安全・環境法規を守ること。
流行とは、施工方法を工夫したり、
ICTを活用したりして生産性を向上させることです。
このいずれかが不十分だと、
現場で大きな問題が起きかねません。
ある建設会社が盛土を施工した宅地造成地で、
竣工後に地盤が沈下して、住宅が傾きました。
盛土の再施工、そして住宅の建て替えが
求められました。
結果として、その建設会社は破綻しました。
守るべき品質基準(不易)が不十分だったことが
大きな問題になったのです。
また別の建設会社は
ICT施工の推進(流行)に出遅れました。
経営陣が「しばらく様子を見よう」と考え、
ICT化への投資に待ったをかけたためです。
その結果、公共事業の受注が伸び悩み、
また業務の効率化の遅れから
「働き方改革」が進んでいません。
その結果、採用難や離職の増加という
問題が発生しています。
「棒高跳びのバーは常にあげられてゆく
これを超えねば競争場裡より去らねばならぬ」
経営難に陥っていた東芝を建て直し、
その後経団連の会長になった
土光敏夫氏の言葉です。
時代の変化という、バーの高さに
対応できなければ、会社の存続はできません。
一方で業務や工事の質は守り続ける必要があります。
変えなければならないことと、
変えてはいけないこと。
新年を迎え、改めて「不易流行」を意識して
現場運営、会社経営をする必要を強く感じます。
『小さな修養論』
藤尾秀昭著を一部参考にしました。
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【編集後記】
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ICTに関するお問い合わせは
働き方改革の進展とともに、このところ
とても増えています。
自社に合うシステムを慎重に選びたいものです。
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社長ブログ