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1.「アプローチ親密力をあげる」

現場コミュニケーション技術

建設技術者はコミュニケーションが不得意な人が多く「話すことが苦手だから、技術者になった」という話をよく聞きます。本腰を入れて、技術者の現場コミュニケーション技術工場対策を実施する必要があるでしょう。

コミュニケーション能力を上げるためには次の5つのポイントがあります。
ポイント1 アプローチ親密力を上げる
ポイント2 リサーチ調査力を上げる
ポイント3 ライティング文章力を上げる
ポイント4 プレゼンテーション表現力を上げる
ポイント5 クロージング交渉力を上げる

ポイント1は、第一印象をよくすることです。そのためには見た目と声質を良くする必要があります。
ポイント2は、事前に情報収集しておくことです。あらかじめ想定質問を作成することが必要です。
ポイント3は、一目でわかる資料を作成することです。分かりやすい資料は言葉を不要にします。
ポイント4は、惹きつける発表をすることです。提案に惚れさせる発表をすることが必要です。
ポイント5は、質疑応答に対応することです。切り返しの巧拙が相手の心証に影響します。


【1】ポイント1 アプローチ親密力を上げる
ポイント1として「親密力を上げる」の解説をいたします。

メラビアンの法則とは、人が他者から信用を得るための重要な要因について研究したものです。
そこには、話し手が聞き手に与えるインパクトの3つの要素として、視覚情報、聴覚情報、言語情報があるとしています。
視覚情報とは、話し手が聞き手にどう映っているか、つまり、見た目、表情、しぐさ、視線のことです。→55%
聴覚情報とは、プレゼンターの声で、声の質、速さ、大きさ、口調です。→38%
言語情報とは、話し手が話す内容で、言葉そのものの意味です。→7%

これらが、聞き手の第一印象に与える影響度は、視覚情報:聴覚情報:言語情報=55:38:7です。つまり、視覚と聴覚情報で、第一印象の55+38=93%が決まるのです。

まず視覚情報です。
見た目;エリが曲がっていないか、ネクタイが曲がっていないか(ネクタイ着用が望ましい)
ポケットに物が入りすぎていないか(大抵の方が、ポケットにたくさん入っています)
ズボンに折れ目がついているか(作業着でもアイロンをかけよう)
髪の毛にくしが入っているか(ヘルメットくせがついていないように)
くつが汚れていないか(案外くつを見られています)
背筋を伸ばす(猫背は見苦しい)
表情; 目はいつもより1.2倍開けよう(目が大きく開いていると元気に見える)
口角はいつもより1.2倍上げよう(口角が上がっており、歯が見えていると笑顔に見える)
しぐさ;礼をする際には、背筋を伸ばす(頭を下げるよりもお尻を後ろに突き出す方が良い)
語先礼後(語が先で、礼が後。おはようございます。と話してから礼をする)
手の位置は、中指をズボンの縫い目に合わせる(指先は伸ばそう)
手を前で組む場合、男性は右手の手首に左手を添える。女性は手の甲に手を添える(後ろで手を組むのはNG)
視線; 聞き手の目を見る
聞き手が複数いる場合は、まんべんなく見渡す(これは落語家がうまい。ぜひ一度寄席に行くことをお勧めします)
目を見にくい場合は、おでこを見てもよい(目を見るとドキドキする人にはお勧め。鼻を見ると笑ってしまう危険性が)

つづいて聴覚情報です。
声の質;ことばが明瞭に伝わるように口を大きく開けて話すようにする(あくびをするくらいの大きさで)
速さ; ひと言ひと言ゆっくり話す(どうしても早口になる人は文と文の間に「うん」と一呼吸入れることでゆっくり話しているように聞こえる)
大きさ;口で話そうとすると声が小さくなるのでお腹で話すようにする(背筋を伸ばすと大きな声になる)
口調; 語尾を明確にすることでハキハキとしているように感じる(ます。です。に力を入れる)
えー、あのー、などの枕言葉は飲み込む(自分の声を録音するといかに枕言葉が多いかに気づく)

最後に言語情報です。
伝えることは、「会社」「自分」「提案内容」。提案内容をきちんと伝えることは当然のこととして会社、自分のことをきちんと伝えることができるようにしましょう。
そのためにも、会社の特徴を3つ、自分の特徴を3つ話せるようにしましょう。
事例を書きます。

我が社の特徴
1社歴が50年あること
2地域に根差して活動していること
3過去10年間に発注者からの表彰を8度受賞していること

自分の特徴
1河川工事は10年以上の工事歴を有すること
2建設の資格は10持っていること
3コミュニケーション能力で近隣の方と友人になれること

提案内容を話す前に視覚情報、聴覚情報、言語情報がきちんと相手に伝わっているかをチェックしましょう。

親密力を上げるためには雑談が欠かせません。
現場で評価の高い現場代理人は、雑談がうまい人が多いです。現場をただ単にぶらぶら歩いているのではなく、職人さんと笑いながら話したり、近隣の方に声をかけられたり、お客様と真剣な話の時にも、和やかに話すことができる人です。
このような人は、雑談がきっかけとなってお客様や協力会社の方、そして近隣住民と仲良くなりその結果、工事をスムーズに進めることができるのです。
雑談をする能力のことを「雑談力」と呼びます。

「雑談力」を上げるためのポイントは次の3つです。
ポイント1.あいさつ+α
ポイント2.質問で締める
ポイント3.きどにたてかけし衣食住

まずはポイント1.あいさつ+αを解説します。
朝は「おはようございます」昼なら「こんにちは」「ご苦労様です」夜なら「さようなら」「お疲れ様でした」などと挨拶することでしょう。
それを雑談のきっかけにするためあいさつの後ろに一言添えるのです。
「おはようございます」だけなら「おはようございます」と返答がくるだけでしょう。
しかし「おはようございます。昨日TVの『半沢直樹』ご覧になりました?」と言えば
「見た見た。すきっとするよね。あまちゃんもおもしろかったよ。見た?」などと話がつながります。
「こんにちは。きょうは表情がいいですね。いいことがあったのですか」と聞くと「はい、実は、昨日お客様から電話があり新しい建物を気に入っていただけたのです。」と話してくれるでしょう。
「お疲れ様でした。きょうはまっすぐ帰るの?」「ちょっと、スポーツジムに寄ってから帰ります。一緒に行きませんか?」
このように、あいさつに+αのことばを添えることで雑談が始まり、コミュニケーションがよくなります。
ぜひきょうから、いつものあいさつに一言添えてみてください。

次にポイント2.質問を使い分けるを解説します。
質問は、クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンに分かれます。

クローズドクエスチョンとは「はい」、「いいえ」で答えられる質問です。
クローズドクエスチョンの雑談例1
「昨日は残業だったの?」この回答は「はい」「いいえ」の二つに一つです。
クローズドクエスチョンの雑談例2
「あなたの血液型はA型でしょ?」この回答はやはり「はい」「いいえ」の二つに一つです。

次に、オープンクエスチョンは、質問された人が思ったことを自由に答えられる質問です。
オープンクエスチョンの雑談例1
「学生のころ部活は何をやっていたの?」と聞かれると 「テニス部だった」「バスケ部だった」「帰宅部だった」と回答は複数あり限定されていません。

オープンクエスチョンの雑談例2
「こないだの映画どうだった?」と聞かれると 「面白かった」「つまらなかった」「このシーンに感動した」と回答は自由にできます。
オープンクエスチョンはさらに拡大質問、限定質問に分かれます。
拡大質問とは、What(何、どんな)、why(なぜ、どうして)、how(どうやって)
を聞くオープンクエスチョンです。
具体的には次のような質問になります。

拡大質問の例1「どうしてこの会社に入ろうと思ったのですか。」
拡大質問の例2「小学生のころはどんな感じの子供だったんですか。」

限定質問とは、who(誰)、when(いつ)、where(どこで)を伺うオープンクエスチョンです。
具体的には次のような質問になります。
限定質問の例1「奥さんとはいつ出会ったのですか?」
限定質問の例2「このカーテンはどこで買ったのですか?」

では、雑談を楽しむときは、オープンクエスチョン(限定質問、拡大質問)と、クローズドクエスチョンのどれを使って質問すればいいのでしょうか?
それは、「クローズドクエスチョン → 限定質問 → 拡大質問」の順序がよいです。
「髪の毛、切ったの?」(クローズドクエスチョン)

「はい」
「どこで切ったの?」(どこで、限定質問)
「●●ヘアサロンだよ」

「かっこいいね。そのヘアサロン、どうやって探したの?」
(どのように、拡大質問)

「昨日テレビ観た?」
「はい」

「何時ころ観たの?」(いつ、限定質問)
「9時だよ」

「何の番組?」(何、拡大質問)
「『半沢直樹』だよ。あれを観るとスキッとするね」

このように「クローズドクエスチョン → 限定質問 → 拡大質問」の順序に聞くと、徐々に相手の心が広がっていき、雑談が盛り上がります。
クローズドクエスチョン、限定質問、拡大質問を使い分けることによって相手に、よりきめ細やかな対応で質問ができます。
雑談を楽しく盛り上げるためには、オープンクエスチョンの方が、会話が広がるし、いろいろな話のネタも出て楽しいでしょう。

しかし、あまり親しくない人に対しては、相手のことも考慮して、答えやすい質問、クローズドクエスチョンから質問してあげるといいでしょう。
親しくなってきたら、少しずつオープンクエスチョンに変えていけば、相手と打ち解けるのも早くなります。

この3つの質問形式を活用して、臨機応変に質問の仕方を変えることができれば、「この人は話しやすい人だなあ」とか「もっとこの人と雑談がしたいなあ」と好意を持ってもらえます。
質問を自由自在に使い分けられたら、「雑談力」はアップしますし、相手との親密性が
向上するのです。

最後にポイント3.木戸に立てかけし衣食住を解説します。 

雑談で、実際には何を話したらいいのかという壁にぶつかります。デートをしているときに話題が途切れて、しらけた雰囲気になるようなものです。
そこで話のきっかけとして、「木戸に立てかけし衣食住」を紹介します。
この一つひとつのことばをきっかけにするというものです。

「き」季節 →今年の夏は暑いですね
「ど」道楽、趣味 →趣味のゴルフの調子はどうですか
「に」ニュース →消費税はどうなるのでしょうね
「た」旅 →最近どこかに旅行されましたか
「て」天気 →きょうの夕方は雨のようですね
テレビ →昨日の「半沢直樹」観ましたか
「か」家庭、家族 →お子さんはおいくつになられましたか
「け」健康 →きょうは顔色がいいですね
「し」仕事 →いつも、いきいきと仕事をされていますね
「衣」衣服 →きょうのネクタイ、お似合いですね
「食」食べ物 →おいしいお店見つけたので、ご一緒にどうですか
「住」住居 →お住まいの○○はすてきなところですね

話題に詰まったときには「木戸に立てかけし衣食住」を思い起こしてください。

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