平山建設株式会社|「5年で一人前」へ
──背中ではなく言葉で育てる、次世代育成のカタチ
~施工管理の“学び直し”が、現場の空気を変えた~
創業明治34年。千葉県を拠点に120年以上の歴史を持つ平山建設株式会社は、
「設計・施工一貫体制」により地域密着の建築事業を展開している。
そんな同社が取り組むのは、「背中で覚える」から「言葉で教える」への教育改革だ。
現場一筋20年の育成担当役員が感じた課題とは?
そして、ハタコンサルタントとの出会いがもたらした変化とは?

「背中を見て覚えろ」からの脱却
「かつての建築現場は、“教える”文化がなかったんです。見て盗め、自分で覚えろが当たり前。
私自身も、先輩の背中を追いかけながら墨出しを学び、施工図の読み方を手探りで覚えてきました」
そのような中、長時間労働や非効率なOJTが常態化。
若手が成長しにくい現場環境に、危機感を抱いていたという。
コロナ禍で出会った「学びの再設計」
そんな折、2019年に出版された 書籍『建設版 働き方改革実践マニュアル』を手に取ったのがきっかけで、
ハタコンサルタントの存在を知る。
著者である代表の降籏 達生 氏の考えに共感し、直接の対話を経て本格的な導入が決まった。
「当時の当社にも“スキルマップ”のようなものはありましたが、
点数をつけるだけで、体系的な教育設計にはなっていませんでした。
ハタコンの講座では、1年目・5年目といった、
“年次ごとの成長ゴール”が明確になっていて、それが非常に印象的でした」
こうして、若手の成長ビジョンが明確になり、
上司・部下の間にも共通言語が生まれていったという。

“施工図が読めるようになった!”喜びの声も
現在、平山建設では新入社員・2年目社員・若手層に向けて、毎年定期的にセミナーを実施。
その中でも特に人気なのが「施工図の読み方」講座だ。
「施工図を正しく理解することが、現場力の基礎になります。
これまでは社内だけではなかなか教えられなかった部分。
そこを外部のプロにしっかり教えてもらうことで、若手の理解度がぐんと上がっています」
現場での指示がスムーズになり、チーム内の連携も良くなるなど、
目に見える効果が現れ始めている。
年間4人の「5年目一人前」を目指して
今後の人材育成について、同社には明確な目標がある。
「私たちは“5年目で一人前”という育成方針を掲げています。
1年目から5年目まで、段階的に学べる環境と、その人物に合わせたチャンスを用意すること。
それが会社の役割だと思っています」
座学と現場の両輪で、実力をつけながら自信を育てる
──そんな環境づくりを、今後も加速させていく。

学ぶ文化が、会社の未来をつくる
「建築は人がつくる仕事です。だからこそ、人を育てる仕組みが何より大切だと思うんです」
明治から続く歴史と、時代に即した育成体制。
その両方を武器に、平山建設はこれからの100年も、地域と人を支える建設会社であり続ける。
