専門性×外部の力で未来を拓く ― 大林道路の人材育成の新たな挑戦
大林グループの一員として、舗装事業に特化した施工を行う大林道路株式会社。
昭和8年の創業以来、日本の道路インフラを支え続けてきた同社では、
近年、社内講師による教育体制から一歩踏み出し、外部専門家の力を借りた新たな人材育成の取り組みを進めている。
その背景と変化、そして今後の展望について、お話を伺いました。

現場を支える誇りと責任 ― 大林道路の歩み
「道路とは人と物と文化の交流になくてはならないもの。
私たちは誇りと責任を持って道路インフラを支えてまいります。」

自前教育の限界、そしてプロの力を求めて
かつて同社では、社員が社内講師となって技術教育を担うスタイルが主流でした。
しかし時代の変化とともに、その在り方に課題が見えてきました。
「本業はあくまで“ものをつくること”。教えることが本業ではない以上、
専門分野では教育する側の知識や技量によって教育効果にばらつきが出てしまうのが現実でした」
また、社内講師の技量にも限界がある中で、より専門性の高い効果的な教育が必要とされるようになっていました。
そんな折、ハタコンサルタントの代表・降籏氏と、
当時の大林道路社長との接点がきっかけとなり、外部研修の導入が始まりました。
文系出身者や多様な人材への教育課題も背景に
もう一つの導入背景に、「人材の多様化」があります。
「理系出身者だけではなく、文系出身者や高卒採用も増えてきた中で、
従来の目線では対応しきれない部分が出てきました。
そうした社員にも現場で通用する力を教育によって身につけさせたいという思いがありました。」
「プロの力を借りて教育のベースを築き、現場での即戦力へと育てる。」
それが、同社が外部研修に求めた大きな役割でした。
期待を超える柔軟な対応と継続の価値
導入当初から、ハタコンサルタントの柔軟な対応力は際立っていたといいます。
「こちらのニーズや状況に応じて、カリキュラムをアレンジしてくれる。
単に提供されるだけでなく、双方向のやり取りでつくり上げていくスタイルがありがたかったです」
社内では、「教育を社外に任せる」ことに一定の抵抗感もあった。
しかし今では、礼儀作法や人間性といった“内面の成長”に関しても、外部教育の効果を実感しているといいます。

社員育成は“長期戦” ‐ 今後の展望
「教育の効果が出るのは、5年、10年といったスパンで見るもの。
今はベースづくりの段階ですが、必ず成果は出てくると信じています」
今後はさらに、多様な人材に対応した教育が求められていきます。
採用の多様化に伴い、画一的なカリキュラムから、個々に応じた柔軟な教育設計が必要になっていくでしょう。
「教育だけでなく、会社全体としての“受け入れ体制”も重要になる。
現場の意識改革も含めて、これからの人材育成を進めていきたいです」
「人が育つ」会社であるために
変化の時代にあって、人材育成もまた、変わらなければならなりません。
専門性と外部の知見を取り入れながら、未来を見据えた教育を実現していく大林道路の挑戦は、これからも続いていきます。
