株式会社竹徳|120年企業が描く、次世代施工管理者の育成ビジョン
~社員一人ひとりが市場価値の高い技術者へ~
東京都墨田区に本社を構える株式会社竹徳は、創業から120年を迎える老舗建設会社。
海外のベースキャンプ建築に始まり、発電所内の仮設建築、
そして首都圏を中心とした中高層RCマンション建築、
不動産開発へとその事業領域を拡大してきた。
そんな同社が今、力を入れているのが「人を育てる」取り組みだ。
ハタコンサルタントとの出会いをきっかけに、人材育成の在り方に変化が生まれている。

講師がいない、体系がない ― 社内研修の限界
以前は、社内での研修は講師がいない、多忙、研修ノウハウがないなどの事由で十分に進まず、
また外部研修といっても新入社員向けのビジネス研修は利用していたものの、
技術研修の面では十分とは言えなかった。
外部研修を実施している研修機関は様々あるが、
施工管理という専門性の高い分野において研修を行う機関は少なかった。
従業員の育成には内部のOJTだけでは限界があると感じ、
体系的に学ぶことができる研修機関を模索していた。
また外部となるとコストの問題もあった。
“探していた教育”に出会った瞬間
少ない施工管理の研修を実施している機関のなかで、1社を見つけ、利用を開始した。
数年利用をしてきたが、カリキュラムの変更などがあり、弊社のニーズに内容が合致しない点が生じ、
他の研修機関も探すなかで、内容やカリキュラムが会社のニーズにあったものがハタコンサルタントの研修のなかにあった。
こうして、ハタコンサルタントの施工管理研修を利用した人材育成がスタートした。
研修で得た「背景知識」が、現場での自信に
研修を受講した社員からは、こんな感想が寄せられた。
「現場では、目の前の仕事をOJTでこなすことはできても、その背景や意味まではなかなか学べない。
研修では、それらの“なぜ”を体系的に理解できた」
自らの業務を「点」ではなく「線」として捉えられるようになり、施工管理者としての視野が広がった。
また、社員の自己申告に基づき、伸ばしたい点や弱い点を申告し、研修を受講する「選択型研修」も導入。
品質管理、安全管理、工程管理、図面など、それぞれの課題に応じたテーマを受講する仕組みを整えた。
外部研修はコストがかかり、躊躇する面があるが、人材開発助成金を利用することでコストの低減を図った。
ハタコンサルタントにも、助成金を利用できるようカリキュラムの設計をお願いし、研修が参加しやすくなった。
社員が“自分ごと”として学ぶように
「毎年一度、社員から希望研修をヒアリングし、会社と従業員のニーズにあった研修を積極的に受講してもらっています。
社員が自らの成長課題を把握し、学ぶ姿勢が育ちつつあります」
若手を中心に年3~4講座を平均して現在受講をしている。
施工管理技士の資格取得を目指す社員も増加し資格はもちろん、自信や誇りといった“目に見えない力”も育っている。
「市場価値の高い人材」に
今後の人材育成のビジョンについて、同社は次のように語る。
「私たちは、市場価値の高い人材の育成を目指しています。
弊社は中小ゼネコンであり、大手ゼネコンとの違いは、
多様な施工管理をプロジェクトのなかで一気通貫して経験ができることです。
大手では対象物件が大きく、担当の施工管理は部分的になりがちですが、
竹徳の担う物件は3人程度のチームで入口から出口までの全ての工程を手掛けていくため、
全体工程管理の力が身に付きます。
工期はおおよそ1年半程度の案件が多く、10年間で約6件のプロジェクトに携わることが可能です。
その間に、新入社員から次席、そして所長へと段階的にステップアップし、
視野を広げながら着実に成長していきます。
明確な成長キャリアが描かれており、この期間中は現場での実務に加え、
外部講習や資格取得にも取り組みながら、大手ゼネコンにも引けを取らない施工管理技術者の育成を目指します。
10年後、20年後にも通用する、市場価値の高い技術者を育成することを目標としています。」
社会や業界の変化が激しい今、個人としての力量が益々求められる時代。
だからこそ、社員一人ひとりが自立した技術者として成長できるよう、質の高い外部研修を積極的に取り入れていく方針だ。