2018-10-29 建設業の心温まる物語/日刊建設工業新聞掲載記事を引用

私は大学を卒業後、東京でゼネコンに勤めました。その後、父が営む会社にて働くことになりました。そして今から9年前に、奈良県吉野郡黒滝村を流れる河川の工事を受注し、私が担当することになりました。その工事は、会社に入って初めての施工する現場でした。
工事を施工する河川に隣接して、村営のホテルがありました。私は、そのホテルに工程の説明や実元調整などにて訪問するようになりました。ホテル側担当の女性は経理の方で、何度か打ち合わせを行いました。ようやく工事が終わり、竣工のあいさつの際に、その担当の女性に「これまでたいへんお世話になりました。お礼のしるしにお食事をご一緒していただけませんか」と誘いました。
現在の妻は、その時出会った経理の女性です。妻は私との結婚を機に土木の専門学校に通い始めました。そして一級土木施工管理技士の資格も取得しました。昨年は奈良県発注の女性チャレンジ型の入札で落札し、技術者として施工管理を行ってくれています。さらに、会社の経理の業務もしてくれています。
妻は私の会社と家庭を支えてくれるかけがいのない大切な存在です。私は、最初に工事を施工し、そして妻と出会った奈良県吉野郡黒滝村はずっと忘れられない場所となりました。