2018-11-26 建設業の心温まる物語/日刊建設工業新聞掲載記事を引用

私と友人Aくんは、高校・大学と同じ学校に行き、大学ではお互いに建築学科でした。
私は何げなく建築学科に入りましたが、友人は実家がとび・土木業を行う会社を経営しており、会社を承継するため建築学科に入ったのです。
大学を卒業し私たちは別々の建設会社に就職しました。私は東京、Aくんは大阪と離れましたが、大学、高校の仲間と、よく飲み会をしたり、お互い電話で連絡をとって状況を報告し合っていました。
就職し4年がたち、私は結婚するために地元に帰ることを決めました。そのことをAくん電話にて伝えましたが、Aくんはまだ、地元には帰らないとのことでした。
それから数か月が経過し私が地元に帰る日が決まり、Aくんに再び電話をすると、「会社を経営している父が倒れたため、実家の仕事を手伝わないといけなくなった。私も急遽地元に帰ることした」とのこと。いずれ実家を継ぐつもりだったとのことで、地元に帰ることを決断していました。期せずして私は友人と共に地元に帰ることになったのです。
地元に帰ってからAくんは会社の専務として会社を経営しています。数年後にお父さんが亡くなられましたが、その後も順調に会社を成長させています。同い年なのに、頑張っているAくんを見ると、心から尊敬し、私も負けられないと奮起することができます。
ちなみに、私が地元に帰って就職先を探していた時に、就職先を紹介してくれたのもAくんで、私は今でもその会社で働いています。
Aくんは私にとってかけがえのない、一生の友です。