建設会社のお困りごと支援 ハタ コンサルタント株式会社

建設業で本当にあった心温まる物語

大同工業株式会社(神奈川県)・大川 恭賢/
~父のように慕っていた親方からもらった宝物~

2018-12-26 建設業の心温まる物語/日刊建設工業新聞掲載記事を引用




 私は、静岡県で大工の棟梁の長男として生まれました。父は明るい性格で、職人仲間の間から「親方、親方」と呼ばれ親しまれていました。
 
 私は工業高校を卒業して、父の勧めもあり建設会社へ入社し、現場監督をすることとなりました。

 建設業にて働くようになって10年が過ぎ、父は50代前半になりました。いずれは一緒に現場ができればと思っていました。そんなある日、突然父が脳梗塞で倒れ、左半身麻痺となってしまいました。そして10年後に父は亡くなりました。

 その後、私は社内で部門をまとめる立場となり、静岡県から神奈川県へ単身赴任することになりました。土地勘もなく右も左も分からなく困っていたころ、その地域のS建築の親方であるSさんに仕事のこと、その地域のことなど教えていただき、ずいぶん助けてもらいました。S親方は心なしか父に似ていたこともあり、私は親方をとても慕っていました。

 それから数年経ち、70歳を過ぎ体力が落ちてきてしまったS親方に呼ばれました。何かと思って行ってみると、S親方が大事に使っていた大工道具の縦ひきのこぎりを「お前にやる」と、私に手渡してくれたのです。

 使い古して黒光りしたのこぎりを見た時、父からもらったような気がして涙がこぼれました。そののこぎりは私の一生の宝物です。



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