2018-7-30 建設業の心温まる物語/日刊建設工業新聞掲載記事を引用

ある日のこと、現場の外でトラックの荷台の荷が崩れ、人が倒れていました。私は、とっさにその人にかけよって荷がまっすぐになるようにしようとしましたが、道具がなかったので、うまく直すことができません。
「すぐに道具を取ってくるので待っていてください」と言って、私は現場に走りました。倉庫にあったレバーブロックとバールを使用してなんとかトラックの崩れた荷を元に戻すことができました。
その人は、うれしそうな笑顔で私の名前を聞いてきました。私は「名前はナイショです。私も人に助けられてばかりなので、お助けすることができてよかったです。荷が崩れないよう、カーブは気を付けてください」とだけ言い残して私はその場を去りました。
翌日、現場で仕事をしていると、「お前を呼んでいるお客さんがいるぞ」と上司に呼ばれました。するとそこには、昨日助けた方が立っていました。その人は、ヘルメットの色と名前が書かれたシールを見て、私がここで働いていると思い、お礼を言いに来てくれたそうです。私はとても温かい気持ちになりました。
私が人を迷わず助けることができたのは、普段から人に助けられているからです。人は助け、助けられお互い支えあって生きているんだと改めて思いました。