2019-1-28 建設業の心温まる物語/日刊建設工業新聞掲載記事を引用

私の父は土木作業員、祖父は舗装作業員でした。子供の頃は、祖父や父の帰りが遅いことに何も感じませんでした。仕事をしてお金を稼ぐということは大変なことなんだと言われて育ちました。家族でどこか旅行へ行く、買い物に行くなどということはほとんどなく、父母ともに仕事ばかりしていたように思います。
物心ついたころには、そんな親の姿を見ていたため、もっと楽に稼げる仕事をしたいと思い、いろいろな業種で働きました。しかしどの仕事も何かしっくりこなくて、祖父が勤めていた舗装の仕事を経験してみようと思い、舗装作業のアルバイトを始めました。親の血を引いていたのか、時間を忘れて仕事をすることに、やりがいを感じるようになりました。また、自分が主体になって物を造っていくことに楽しさを覚えたのです。
初めは手元作業員、次に重機オペレーター、そして現場施工管理者、と自分にできる仕事の幅が広がっていきました。やがて大手舗装会社の方から誘われ、普通では経験できない特殊な仕事を経験することができました。
作業員から始めた仕事ですが、今では営業が主たる業務になりました。さまざまな経験をしたことで、仕事の内容に精通しているため、毎日の仕事がまるで趣味をさせていただいているような感覚です。人から頼られる存在になっていることを幸せに思います。
さらにありがたいことに、妻と子供の3人には、毎週しっかり家族サービスも行っています。