2019-3-25 建設業の心温まる物語/日刊建設工業新聞掲載記事を引用

私は建築の内装工事会社に勤めており、現場管理の仕事をしています。私が入社して3年程経過した2011年6月ごろの出来事です。
その日は、既存の建物の改修工事を元請の監督さんの指示のもと、職人さんと私とで施工に取り掛かりました。工事は、既存の天井や壁を解体し、部屋を拡張し部分復旧を行うという内容でした。難しい工事ではなかったので、作業を終えて片付けを行い、職人さんと一緒に帰宅しようとしていました。
そんなとき、元請の監督さんから「現場が汚い!後片付けも全然できてない!」と怒りの電話がかかってきました。すぐに現場に戻ると、解体後の後片づけはできていたものの、床が解体材などのほこりや足跡で汚れた場所が残っている状態でした。私はそれまで、掃除に対してさほど重要性を感じていなかったので、これくらいの片付け方でよい、という甘い考えでいたのです。
しかし監督さんから、なぜ掃除を重視しているのか、なぜそんなにきつい言い方をしたのかを聞いていると、今までの掃除に対する認識やイメージが変わりました。自分さえよければいいという安易な考えはなくなり、自ら進んで現場、そして家の掃除もするように意識が変わりました。
その監督さんとは今でも現場で顔を会わせる機会があります。当時のことを話し、現場での相談事にものっていただけます。私のような若い人間に親身に対応してくださる監督さんとは、一生お付き合いいただきたいと思っています。
さらに、私自身も若い世代に掃除の重要性を伝えていきます。