2019-4-22 建設業の心温まる物語/日刊建設工業新聞掲載記事を引用

「住民の皆さまの生命と財産を守る」という理念のもと、長年この業界に携わってきました。
2018年7月の豪雨は、広島に多大な被害をもたらしました。改めて自然災害の脅威を感じると共に、われわれの仕事の責任の大きさを感じました。社員の中にも被災した者もいました。被災した社員の応援をしている途中にも、役所から災害派遣の要請があり、昼夜を通して、災害復旧に努めました。
広島県内の多くの箇所で災害復旧活動が行われていました。自分自身、そして家族が悲惨な状況の中、多くの人が協力しあい、徐々に街が復旧していく様子を見ると、日本人の底力を感じ、すごいと感心するばかりでした。私が、その一端に関われたことを誇りに思います。
ある日のこと、大雨が降る予報が出ました。地元の住民の方から、「水門が動かないので、何とかしてほしい」と依頼がありました。すぐに現場に駆けつけて地元の方に話を聞くと「昨日からずっと水門が動かない。このままだと、雨が降ったらこの辺りが冠水してしまう。昨晩は心配で眠れなかった」とのことでした。
すぐに故障原因を究明し復旧させました。われわれ専門業者からするとそんなに難しい対応ではなかったのですが、地元の方は心配で仕方がなかったようで、「やっとこれで安心して眠れる。ありがとうございました。」ととても喜んでいただけました。
久しぶりにすがすがしい気持ちになれたのと同時に、このように住民の方々の安全と安心を守ることがわれわれの大切な仕事なんだと改めて感じました。