建設業で本当にあった心温まる物語

株式会社岡﨑組 (宮崎県)・齊藤 祐一郎/~技術と連帯感を育んでくれた青年隊~

2017-3-27 建設業の心温まる物語/日刊建設工業新聞掲載記事を引用

 私は現在勤務する会社に入社する前は東京に住んでおり、土木以外の仕事をしていました。しかし2011年東日本大震災後土木技術への興味が高まり、生まれ故郷である宮崎に帰郷し、土木の道に足を踏み入れることにしました。

 しかし私には、土木工事の知識も経験もなかったため、会社からまずは「宮崎県建設技術センター 宮崎県産業開発青年隊(以下青年隊)」に入隊し勉強することを勧められました。青年隊とは、土木建設に関する技術力と社会性を兼ね備えた技術者を育成する機関です。

 青年隊での生活は、寮生活をしながら毎日勉強漬けでした。久しぶりの勉強であったため、仕事とは違ったつらさやきつさがありました。自分にこの仕事ができるだろうか、という不安もありました。しかし、土木に対する知識を得ることができたことと共に、1年間同じ釜の飯を食べ、苦労を共にした仲間を得ることができたことは、かけがえのないことでした。

 卒業した今でも、同期の仲間やOBの方々と連絡を取り合っています。そして、困った時や相談したい時には、OBネットワークを使って助けあっています。このように学ぶ機会や人脈を作らせていただけた会社には本当に感謝しています。

 青年隊は現在、宮崎などにしかありません。そのため宮崎県民のみならず、九州や四国からも入隊する者がいます。今後、日本の建設業の裾野を広げるためにも、さらに全国各地の方々に入隊して仲間に加わって欲しいと願っています。