建設業で本当にあった心温まる物語

奥村組土木興業株式会社(大阪府)・佐々木 慶仁/~私の人生を変えた大震災と明石海峡大橋~

2017-5-28 建設業の心温まる物語/日刊建設工業新聞掲載記事を引用

 小学校6年生の卒業式の日、私はテレビで東日本大震災のニュースを見ました。建物や人を押し流す津波や、燃え上がる火災の映像を見て、とてもショックを受けました。その時私は、人の命を守る仕事ができる消防士になりたいと思いました。その後、災害が起きた際でも、地図を見ただけで安全な場所と危険な場所が分かるようになりたいと思い、土木を学べる学校への進学を決意しました。

 高校で土木を学んでいく中で、まず人を守りたい、未然に人々の安全を守れる仕事がしたいと思うようになりました。「地震で家が倒壊したり、洪水で流されて亡くなる人を限りなくゼロに近づけたい」、そんな思いで土木の学問に取り組みました。

 その後、地図に残るような大きな仕事をしたいと思うようになりました。それには、私の家の近くにある明石海峡大橋が大きく影響しました。いつ見てもその偉容は変わることなく、とても大きな存在感があります。また、土木の勉強を積んでからは、この橋を完成させるのにどれだけ大変だったのだろう、何人の人がこの工事に関わったのだろう、完成させたときの達成感はさぞ大きいだろう、と考えを巡らせながら見るようになりました。

  地図を書き換えることができるのは土木だけです。私も大きな現場に携わり、地図に残る仕事をしたいと強く思います。そして、自分が携わった工事により、人々の安全や生活を陰ながら支えていけたらと思います。