建設業で本当にあった心温まる物語

神室工業株式会社(山形県)・高橋 孝浩/~地域のため、子ども達のために橋を造る~

2017-6-26 建設業の心温まる物語/日刊建設工業新聞掲載記事を引用

 真室川町にある安久土橋の架替工事の上部工事を行いました。前年度までに橋台、橋脚、桁が完成しており、その年には上部工を施工することになりました。

 橋の近くには真室川小学校があり、子ども達は通学の時、いつも工事現場を見ながら通っていました。子ども達が工事現場に興味津々な様子を見て、私は何か子ども達の思い出に残ることができないかと考えました。そして、小学校の先生と毎週の工程打ち合わせの際、「子ども達の記念に残るイベントを企画したい」と提案したのです。それは、橋面全体に小学生208名全員の絵を描いてもらうという企画です。子ども達の絵がずっと橋の上に残るのです。先生はすぐに賛成して下さいました。

 工事が進み、床版のコンクリート打設が終わりました。その後、1年生から6年生までの子ども達に、橋全体を分担して絵やメッセージを描いてもらいました。クラス毎、前もってテーマを決めていて、動物や魚、虹の絵など、また、「安久土橋完成おめでとう」や「安久土橋最高、ありがとう」などというメッセージを書いてくれました。そんな子ども達の絵やメッセージを見ると橋の完成を楽しみにしてくれているのだな、と感動しました。

 工事竣工後、子ども達に完成した橋を見学してもらい、橋の上で記念写真を撮りました。子どもは工事現場に興味があるということを改めて感じました。子ども達の心に残ることができて、とてもうれしく思いました。 地域のため、子ども達のために橋を造って本当に良かったと思いました。