社長ブログ

2020年建設業法改正 閣議決定【がんばれ建設】NO 1293【建設技術】

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「2020年建設業法改正 閣議決定」
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政府は3月15日、建設業法・入札契約適正化法の改正案を
閣議決定しました。
開会中の通常国会で成立すれば、建設業法は、公共工事での
経営事項審査の受審を義務付けた1994年の改正以来、
25年ぶりの抜本的な改正となります。

長時間労働につながる短工期での請負契約を禁止したり、
工期を含めた見積もりを提出する努力義務を設けます。
また、建設業許可の基準を、71年の許可制の導入以来、初めて
見直します。
社会保険加入を許可要件に追加する他、経営業務管理責任者の
配置義務を廃止します。

●適正工期

建設業の働き方改革を推進するため、受発注者が適正な工期
を設定する環境を法的に措置します。
標準請負契約約款などと同様に「建設工事の工期に関する基準」
を作成し、受発注者に実施を勧告できる権限を中央建設業
審議会に付与。
この基準を順守した工期設定を受発注者に求めます。

基準と比べ「著しく短い工期」で請負契約を結んだ発注者
には、建設業許可行政庁が是正を勧告し、それに従わない場合
に発注者名を公表できるようにします。
元請け・上位下請けなどの建設業者に対しては、勧告、公表後
に建設業法上の監督処分もできるようにします。

建設業者の作成する見積もりの項目に、工種ごとの作業と
必要な日数を追加し、請負契約に、休日や現場を稼働させる
時間帯も盛り込みます。

●建設業許可

建設業許可の基準では、許可業種での5年以上の経営の
経験者の配置を求める経営業務管理責任者(経管)の配置義務
を廃止します。
その代わり、企業全体で適切な経営管理の責任体制があること
を求めます。

社会保険未加入の企業に許可・更新を認めないことも省令で
基準に位置付けます。

●技術資格

技術検定は、現行の学科試験と実地試験を「第1次検定」と
「第2次検定」に再編し、第1次検定で施工技術の基礎、
第2次検定で技術上の管理と指導監督の知識・能力を判定
できるよう、試験問題を改めます。
改正法成立後の政令で、第1次検定合格者に与える「技士補」
の資格を創設。
1級技術検定に合格した1級技士補を「監理技術者補佐」として
専任配置した場合、監理技術者が2現場を兼務することを
認めます。

下請けに主任技術者の配置を求めない「専門工事一括管理
施工制度」も創設します。
上位下請けが指導監督的な実務経験(1年以上)のある
主任技術者を配置すれば、下位下請けの主任技術者の配置を
不要にします。
この制度の活用には、注文者の承諾と下請けからの合意を
元請けが得ることも条件にします。

●業務平準化の努力義務

入札契約適正化法では、同法に基づく入札契約適正化指針に
「必要な工期の確保」と「施工時期の平準化」を記載できる
ようにします。
指針を閣議決定すると、地方自治体などの公共工事の発注者に
対し、施工時期を平準化する努力義務を課すことになります。

なお、改正法が成立した場合の施行期日は2020年10月
(技術検定の再編関連は2021年4月)を想定しています。

建設業法・入契法改正案の要点

★長時間労働の是正
◇中央建設業審議会が工期に関する基準を作成
◇注文者が著しく短い工期による請負契約の禁止
◇著しく短い工期を結んだ発注者への勧告と公表
◇建設業者が工種ごとの作業と準備に必要な日数を見積もり

★平準化
◇公共発注者に「施工時期の平準化」の努力義務(入契法改正案)

★処遇改善
◇下請け代金のうち労務費相当分を現金払い
◇社会保険未加入の企業の許可・更新を認めない

★生産性向上
◇技術検定試験を第1次検定と第2次検定に再編
◇第1次検定の合格者に対する技士補の資格創設
◇監理技術者の専任緩和(監理技術者補佐配置で2現場まで兼務)
◇専門工事一括管理施工制度の創設
◇建設資材製造業者に対する改善勧告

★持続可能な事業環境の確保
◇経営業務監理責任者の廃止
◇合併・事業譲渡、相続における円滑な事業承継

★その他改正事項
◇元請けの義務違反を通報した下請けに対する不利益な取り扱いの禁止
◇現場における下請け業者の建設業許可証掲示義務の緩和
◇技術者と技能者に知識・技術向上の努力義務
◇建設業団体に対し、災害時に建設業者と自治体の連絡調整等を行う責務

建通新聞 19.3.15を参照しました。

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