社長ブログ

現場で働く技術者は、なぜ初心を忘れてしまうのか【がんばれ建設2302】

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がんばれ建設 
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2024年8月26日
NO2302

◆現場で働く技術者は、なぜ初心を忘れてしまうのか

初心を忘るべからず、という言葉をよく聞きます。

この格言を生み出したのは、

室町時代(1300年代後半)の世阿弥です。

世阿弥は、現代まで600年間演じ続けられる

能楽の基盤を作った能役者であり、

天才プロデューサーでもあります。

この教えは、次の三つの形で伝えられています。

1)道を志しはじめた時の「未熟さ」を忘れてはならない。

最初は誰しも初心者です。

しかししばらく時が経つと

一人前になったような気持ちになり、

緊張感が薄れてしまうものです。

そんな時に事故が起きます。

常に緊張感を持って

現場任務に取り組む必要があるでしょう。

2)キャリアに応じた、その時その時に抱く

「感覚」を忘れてはならない。

初めて主任になった、

初めて監理技術者や現場代理人になった、

初めて課長や部長になった、

初めて社長になった、

その時の気持ちを忘れてはいけないということです。

特に現場代理人になって何年か経つと、

自分の施工方法に固執して、

自己流で施工する人がいます。

そうではなく、常に新技術、新工法、

ICT技術に興味を持って取り組み、

若手の意見に耳を傾ける必要があります。

3)何歳になろうと、初めてというものはある。

そのときの感覚を忘れてはならない。

初めて父親、母親になる、初めて部下がつく、

初めて楽器に触れる、初めて飛行機に乗る。

その時は、おそらく丁寧に、

慎重にことを進めるという感覚でしょう。

その慎重さを忘れてはいけないということです。

現場で働いて何年も経つと、

初心を忘れがちです。

しかし、いくら経験しても、

緊張感を持ち、新たなことに興味を持ち、

そして丁寧に慎重に仕事をしてこそ、

一流の建設技術者になれるのだと思います。

「がんばれ建設」は書き出してから

20年になり、2300号を超えました。

初心を忘れず、今後も書き続ける決意です。

『世阿弥 道を極める』世阿弥著を

一部参考にしました。