若手社員が現場責任者になりたがらない3つの理由【がんばれ建設2297】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2024年8月7日
NO2297
◆若手社員が現場責任者になりたがらない3つの理由
近年の若手技術者の中には、
現場責任者になりたくない、
という人が増えています。
一緒に仕事をしている現場責任者を見ていると、
目指すべき存在ではないのでしょう。
ここで、現場責任者になりたくない理由を
まとめると3つあります。
(1)現場責任者の役割がよくわからない
(2)若手を育てるのに苦労する
(3)現地生産一品生産の建設業において
一律の利益目標はそぐわない
(1)現場責任者の役割がよくわからない
現場責任者の行うべきことが不明確で
役割がよくわからない、という理由です。
技術的業務をすることが多いですが、一方で、
近隣対応や雑用もしていなければなりません。
そんな姿を見るとやりたいとは思えないのでしょう。
(2)若手を育てるのに苦労する
現場責任者には、
部下である若手を育てる必要があります。
ただしそれでなくても
多忙な現場責任者にそんな余裕はなく、
たいへんそうに見えるのでしょう。
(3)目標利益を達成するように本社から厳しく迫られる
現場責任者は、本社からは会社の目標とする
利益を出すように厳しく迫られます。
しかし、現地生産一品生産の工事では、
必ずしも一律の利益目標の達成は望めません。
それではどうすれば若手社員が
現場責任者を目指すようになるのでしょうか。
次の3つの対策が必要でしょう。
(1)現場責任者の役割をハッキリさせる
(2)部下育成の責任範囲を明確にする
(3)一律の利益目標ではなく、改善度を評価する
以下、詳しく解説します。
(1)現場責任者の役割をハッキリさせる
現場責任者の役割を明確にする必要があります。
また、本社との役割分担も
明確にする必要があるでしょう。
本社の部課長が、行うべきことは
安全パトロールだけではないはずです。
(2)部下育成の責任範囲を明確にする
現場代理人には、部下育成も求められます。
しかし責任の範囲はどこまであるのでしょうか?
子どもの成績に関する責任でたとえてみましょう。
・学校や塾の先生と同じぐらい?
・家庭教師と同じぐらい?
・親と同じぐらい?
私は、親と同じぐらいの責任だと思います。
現場責任者は、学校や塾の先生のように
「教える技術」を専門に学んでいません。
自分自身も目標を持っているのですから、
親が子どもの勉強を
見ていられないのと同じように、
現場責任者も部下に付きっきりで
教えることなどできません。
そのためには、キャリアプランが必要です。
若手社員が自ら何を学ぶと
キャリアアップできるのかを
明確にしたものです。
そのうえで、
自分自身で勉強して成長するのが基本です。
自分の成長は自分で責任を持つのが
あたりまえです。
そうすることで、確実に
現場責任者の心の負担は軽減されます。
さらに、若者たちに
当事者意識を持たせることは、とても重要です。
このような啓蒙は、
現場責任者に任せてはいけません。
場合によっては外部の専門講師などに頼んで
定期的に啓蒙するのが必要でしょう。
1年に1回や2回の啓蒙では、何も残りません。
私は若手研修をよく行いますが、
若手社員は、ベテラン社員が思っているよりも
ずっと素直です。
(3) 一律の利益目標ではなく、改善度を評価する
全社一律の利益目標の達成を求めるのではなく、
現場にあった利益目標を設定し、
それをいかに改善したかを評価すべきです。
そのことで不公平感がなくなります。
これらを実践することで、
若手社員が現場責任者の仕事に
憧れるようになるでしょう。
ぜひかっこいい、現場責任者を目指したいものです。
『若者に辞められると困るので、強く言えません
:マネジャーの心の負担を減らす11のルール』
横山信弘著を一部参考にしました。
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【編集後記】
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私は、建設業が子供達から憧れられるように
したいと思い活動をしています。
そのためには、現場責任者が社員から
憧れられるようにしたいものですね。
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