社長ブログ

なぜ建設会社後継社長にはこの5つの条件が必要なのか【がんばれ建設2300】

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がんばれ建設 
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2024年8月21日
NO2300

◆なぜ建設会社後継社長にはこの5つの条件が必要なのか

現在、後継社長の選定に悩む

建設会社が多いです。

では、後継者選定の条件は何でしょうか。

京セラ創業者の稲盛和夫さんは

次の5つの条件を、

主催されていた「盛和塾」にて

塾生に語りました。

◆1)判断・決断の基準を心の中に持つ

社長はその企業において

物事を決める最終の地位にいる人であり、

そのために、判断・決断の基準を

心の中に持っている人でなければなりません。

そのためには、経営者の考え方を

「理念、ビジョン、行動指針」などによって

文書化しておくことが必要です。

また私淑(尊敬する人に直接には教えが

受けられないが、その人を模範として慕い、

学ぶこと)する人を選定し、

書物などでその考え方や行動様式を

自分のものにすることも重要です。

◆2)企業に対する無限大の責任感を持つ

社長に求められる条件の2番目は、

全責任は自分にあるのだという

企業に対する無限大の責任感を持つことが

できる人でなければなりません。

株式会社や有限会社の場合、

本来は有限責任のはずです。

しかし、中小企業の経営者の場合には、

銀行から融資を受けるときに、

「社長であるあなたの個人保証が必要です」

と言われることがあります。

そうすると、家屋敷を担保に入れてでも

保証しなければなりません。

このような状況に不平不満を言うのではなく、

社長としての責任を自覚し、

社員のため、社会のために

仕事をするのだという使命感を喜びとして、

経営のかじ取りを行える人であることが求められます。

◆3)自らのすべてを会社に注入する

3番目に、社長は自らのすべてを会社に

注入できる人でなければなりません。

社長が四六時中会社のことを考えている間は、

会社の組織も生きています。

しかし、会社の頭脳に当たる社長が家に帰ると、

個人に返ることで、会社という組織はその間、

意識を失ったも同然になります。

「自分自身のことは犠牲にしてでも、

会社のことに常に意識を働かすことが

自分の仕事なのだ」と考え、

実践できる人でなければなりません。

◆4)従業員のために誰にも負けない努力をする

4番目は、社長というのは、

従業員の物心両面の幸福の追求のため、

誰よりも努力する存在でなければなりません。

社長は、社員から気の毒と思われるほど

仕事に取り組む必要があります。

しかし社長は、知らず知らずのうちに

自分は偉いのだと勘違いし、

傲慢になっていくものです。

社長が、従業員のために誰よりも

懸命に働く人でなければ、誰もついてきません。

また、社長自身が誰よりも努力しているからこそ

従業員を厳しく叱ったり、注意したりできるのです。

◆5)従業員から尊敬される

5番目は、社長は従業員から

尊敬される存在でなければなりません。

そのためには素晴らしい人格、

見識を備えた人であることが求められます。

そのような素晴らしい心根を持った

尊敬される人になるには、

心を高めることが必要です。

これが後継社長に必要な5条件です。

これらは社長としてふさわしい人間性、

言い換えれば「徳」を言っています。

一方、経営学や会計学など経営者として

必要な才覚も必要です。

では徳と才覚のどちらが重要でしょうか。

中国の歴史書『資治通鑑(しじつがん)』では、

この才と徳に関して

人物を4つの類型に分けています。

才も徳もある人を「聖人」、

才も徳もない人を「愚人」、

徳が才に勝っている人を「君子」、

才が徳に勝っている人を「小人」

と言っています。

後継経営者を選ぶ場合には、

できれば才も徳も備わっている「聖人」、

もしくは徳が才に勝っている「君子」を

採用したいところです。

しかし、それがかなわなければ、

才覚にたけている「小人」よりは

才も徳もない「愚人」を採用するほうが

まだましだと言っています。

それは、才覚だけが飛び抜けて

それを制御する徳がない「小人」は、

悪をなす可能性があるからです。

徳のある人を後継者として選びたいものです。

日経ビジネス2024.3.13号の記事を

一部参考にしました。

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【編集後記】
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お盆休みが過ぎて

暑さが少し収まってきたように感じます。

とはいえ、熱中症の危険度はまだ高いので

くれぐれもご安全に。

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